2017年1月26日 2016年度第4回現代中東研究会「中東情勢分析のための諸視点」(講演者:菊地信之)

日時:2017年1月26日(木)18:00開場 18:30開演 20:00懇親会 21:00閉会
場所:日本学術振興会カイロ研究連絡センター多目的集会
発表:「中東情勢分析のための諸視点」
菊地 信之(在エジプト日本国大使館参事官)

中東地域は現在、歴史的変動の時を迎えているかに思われます。第一に、「アラブの春」に端を発した変動により、シリア、リビア、イエメンが混乱状態にあり、「サイクス・ピコ条約体制」が崩壊しつつあると言われます。イラクも依然不安定であり、このエジプトも様々なチャレンジに直面し、サウジアラビアその他湾岸諸国も、生き残りをかけた国家運営を強いられているように思われます。第二に、主要国家間の関係にも変化が見られます。イラク戦争、アフガニスタン戦争を経て、イランが台頭し、それに伴う形で、スンニ派とシーア派勢力の対立の激化という現象も見られます。また、この変動の主な要因として米国の地域へのコミットメントの変化というものがあり、それに呼応する形で、ロシアの動きが活発化し、中国も進出の機会を伺っているように思われます。第三には、イスラム過激主義が依然跋扈し、ISILは領域国家の体をも成すに至っております。過激主義の影響は地域内に留まらず、欧州を中心に域外にも脅威を及ぼし、難民・移民問題と相まって、近代西洋文明への挑戦ともなっています。このような、複雑に展開する中東情勢、及び同情勢を巡る国際情勢を理解するに辺り、どのような視点をもって臨むかについて、卑見を共有させて頂ければと考えております。

参加:参加者は、氏名を明記の上、発表(聴講無料)および懇親会(参加費20LE)の申込内容を、メール(JSPSlecmet@gmail.com)あるいは電話・Fax.(02-2736-3752)に、発表日前日までにお伝え下さい(収容人数の関係上、参加者は40人までに限らせて頂きます)。

注)本懇話会を円滑に進めるために、事前に参加人数を事務局が把握し、懇親会は参加費支払型にしております。ご理解頂ければ幸いです。

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