エジプトに対するドイツの科学研究・高等教育政策:DAADに着目して

エジプトに対するドイツの科学研究・高等教育政策:DAADに着目して

 

ドイツは、日本と同じく非英語圏の国であり、現在、経済規模や対GDP比に占める研究費の割合も同じくらいである[1]。また両国ともに、性質は異なれども先進国特有の多くの深刻な問題を抱えている。DAAD(ドイツ学術交流会)[2]およびそのカイロ事務所(1960年設立)を一つの中心軸とするドイツのエジプトにおける科学研究・教育政策の取り組みは、歴史的地政学的条件の違いを考慮しても、我が国の将来を見据えて、大いに参考になるだろう。特に、大学の国際化、および国を越えた学術コミュニティの持続的な構築を考える上で、ドイツの取り組みは我が国にとっても重要だと思われる。

まず、前回に引き続き、エジプトの高等教育・研究の全般的な事情について述べる。次に、その事情を踏まえた上でドイツがエジプトで展開する科学研究・高等教育政策を説明する。以下は、適宜現地のメディアなども参照するが、基本的にはDAADの二つのレポート[3]に依拠している。

 

1.エジプトの高等教育・研究制度の構造的問題

エジプトの高等教育・研究制度は、高度に中央集権化されている。すなわち、大学はエジプトの高等教育・科学研究省(MHESR)の決定に拘束される。すべての高等教育機関は、研究および教育政策に関する諮問委員会からの助言を受ける。政府系大学においては、教育課程・内容、学位認定、入学要件、登録枠、教育戦略策定などが、高等教育省および大学最高評議会(SCU)によって管轄される。大学学長や学部長は2014年以降、大統領によって任命されている。私立大学は一定の自治を有しているが、私立大学最高評議会(SCPU)に従う必要があり、同評議会は高等教育省に属し、直接的に大学最高評議会と連携している。さらに、私立大学への入学プロセスも、高等教育省に管理され、入学定員の割り当てが行われる計画がある。

研究は大学だけでなく、例えば、国立研究センター(NRC)でも行われている[4]。同センターには、自然科学、工学、生命科学などの研究者が約5,000人在籍している。しかし、研究優先事項および政策方針は、科学技術評議会(HCST)によって設定されている。同評議会は首相が指導し、エジプトの研究開発活動に関連する省庁の大臣から構成される。上述の大学最高評議会も関与している。

多くの学生を擁する大学の巨大すぎる規模、自律性の低さ、極端に一元化されたシステムは、過密な講義、インフラの過負荷、教職員の低い賃金、硬直化した大学内組織の官僚構造、不透明な人事制度、市場/需要を無視したカリキュラム、研究から産業へのイノベーション転換の欠如などをもたらしている。現行の憲法は、GDPの1%を研究費に、4%を教育費に充てることを規定し、外面的には大幅な予算増額をみせているが、それでも政府系大学は一般的に資金不足の状態である[5]

 

2.エジプト政府の方針

エジプト政府は、以上のような状況の改善のため、緊急の行動が必要であると認識してきた[6]。そのことは、2007年のムバラク政権時代に打ち出されたイニシアティブ「科学技術のための10年」、2016年に発表された国家戦略「持続可能な開発戦略:エジプト・ビジョン2030」、そして「2019年教育年宣言」に象徴される。以上すべての国家ビジョンを総括すれば、その要諦は、①エジプトの高等教育機関・研究システムの質改善。国際的な知名度の向上(国際ジャーナルへの論文掲載50%増、留学生の数3倍増など)と、②就学率および卒業生の雇用の改善にある。その目的を達成するため、科学研究・イノベーションに対する財政支援の拡大、国際化の推進、新たな衛星都市や新行政首都における高等教育機関の新設、教育のハブ化、デジタル化、高等教育へのアクセス向上、職業訓練の拡充が唱えられた。重要なこととして、エジプト政府は2019年の教育年宣言の際に、以上の達成のため、国際的なパートナーシップを強化・促進したいという意志を強調した。

 

3.ドイツの取り組み

ドイツは、イノベーションのためには多分野の研究プロジェクトが重要であると考え、体系的な多分野連携の構築を目指している。エジプトに対するドイツの開発協力の焦点は、再生可能エネルギーの促進に重点を置いた環境・気候保護、水の供給、衛生である。また、政治的・社会的に重要な緊急分野である、医学、農業、都市計画、工学などの分野である[7]。これらの分野では、ドイツ・エジプト間協力がすでに確立されており、そして新たな取り組みが絶えず生まれている。ドイツの研究者たちにとっての具体的な利点は、疾患、地理的気象学的条件、社会的状況の観点から、独自の「実験環境」がエジプトに存在し、それゆえヨーロッパでは成し得ない、あるいは重要性が理解されない研究が可能になることである。

しかしドイツは他方で、大きな問題点として、体系的な多分野連携がいまだ初期段階にあることを認識している。以下では、体系的持続的な、国を越えた組織レベルの多分野連携の構築に向けてドイツが歴史的に実施してきた、そして現在、重点的に行っている政策に焦点を当てる。

まずは、現地の研究者たちの研究環境の改善および研究能力の向上である。研究資金の面で重要な役割を果たしているのは、海外の資金提供組織に加えて、エジプトの科学技術開発基金(STDF)である。STDFは、研究における主要な資金提供機関である。この機関は、高等教育・研究の欠陥を改善し、21世紀の国際的な知識社会に追いつくために、DFG(ドイツ研究振興会)の専門家の協力を得て設立された[8]。国の研究資金を配分する役割を担っているSTDFの重要な目標は何よりも、エジプトの研究者を研究資金の国際競争に参加させることである。ちなみに上述のNRCも、1956年にドイツの支援で設立された組織である。

ドイツはまた、エジプト政府による高等教育の質的水準を高めるための施策にも関わっている。特に、2007年に設立された国家アクレディテーション機関NAQAAEである。同機関は、2013年から2015年にかけて、フィンランドが主導し、DAADがジュニア・パートナーとして参加するEUツイニング・プロジェクト[9]の枠内で設立された。NAQAAEは、大学全体および個々の学部やプログラムの認証を行っている[10]。高等教育大臣の管轄下にはなく、直接首相に報告する。また、DAADにとっての重要な窓口ともなっている。NAQAAEは、エジプトおよびアラブの高等教育制度における質保証に関する高位の会議を開催している[11]

エジプト政府は職業訓練を充実化し学生の雇用可能性を改善させることも優先課題としている。そこでドイツは、エジプトでキャリア開発サービスの充実化も担う。実用に特化した応用科学大学(FH)などドイツの大学もエジプトでの活動にますます関心を寄せており、ドイツ企業も、職業訓練や既存の大学プロジェクトに関わっている。ネットワーク活動のための重要な連絡窓口は、カイロに拠点を置くAHK(エジプトのドイツ工業会議所)である。また、起業分野では、国立私立大学が技術移転のためのオフィスを設置しているだけでなく、さまざまな非政府組織やカイロのスタートアップハウスなども活動しており、一部はドイツが支援を行っている。

以上の、エジプトの科学研究・高等教育・キャリア開発に係わるドイツの施策に対し、DAADおよびその現地オフィスDAADカイロは、重要な役割を果たしている。

まずは国際的な教育研究支援システムの構築である。2007年、いわゆるドイツ・エジプト科学技術年に、DAADとエジプト高等教育・科学研究省の間で、共同奨学金プログラムおよび研究助成プログラムについて合意がなされた[12]。この年を契機に、若手研究者向けの短期奨学金(GERSS)と長期奨学金(GERLS)、上述のSTDF、そしてGERF(German Egyptian Research Fund)など、多くの支援イニシアティブがつくられていった。GERFは、DAADも運営委員会のメンバーである[13]。GERFの管理は、STDFと共同で、DLR(ドイツ航空宇宙センター)・BMBF(ドイツ連邦教育研究省)の国際事務所によって行われる。そして、エジプトの学生・研究者たちを国際的な資金獲得競争に参加させる中で、DAADカイロは、DAADカイロ・アカデミー(DKA)が提供するキャパシティ・ビルディング・モジュールにおいて、「プロポーザルの書き方」「プロジェクト管理」などに関する無料のトレーニングコース[14]を提供している[15]

DAADは、ドイツの大学の国際化、国際教育市場におけるドイツの大学の認知度向上にも貢献する。共同マスタープログラムなど、ドイツとエジプトの大学間のパートナーシップに係わるイニシアティブは、大使館やDAADなどの中間組織に定期的に提案される。DAADカイロの敷地には、在外ドイツ学校センター(ZfA)、オリエント研究所ベイルート、ベルリン工科大学サテライトキャンパス[16]、ベルリン自由大学、フィリップ大学マールブルクなどの連絡事務所もある。また、2022年春からケルン大学オフィスが開設されている。また、DAADカイロは、ドイツの大学を卒業した現地人材を積極的に活用したエジプトでのネットワーキングに加えて、ドイツの大学に、DAADカイロの様々な活動に参加することを促し、ドイツの大学・学部がアプローチしたいターゲット層へのアクセスを提供する。これには、German Science Dayやドイツの国際学校向けの学習情報デー、下記で紹介するCOSIMENAプロジェクト、その他カンファレンスやワークショップなどが含まれる[17]

エジプト人に対するドイツ語教育が重要な施策の一つなのは言うまでもない。2001年以来、DAADは「国を超えた教育」(TNB)プログラムで、海外のドイツ語コースに資金を提供しており、国際教育市場におけるドイツの大学の認知度向上に大きく貢献している[18]。またカイロとアレクサンドリアに拠点を置くいくつかの私立機関やゲーテ・インスティトゥート(ドイツの国際文化交流機関)でも、ドイツ語コースが提供されている。DAADカイロもまた、ドイツ語を学び、研究したい人々を支援している。DAADカイロのウェブサイトでは、ドイツ語コースに関する詳細な情報が提供されている。ドイツ語を学ぶ人々は当然ながら、ドイツの大学のマーケティング活動の潜在的な対象となる。DAADカイロはドイツでの大学進学に関する定期的な情報セッションも提供している。ターゲットに応じて、広告活動はドイツ語および英語で実施される。

DAADは、連邦経済協力開発省(BMZ)および連邦外務省(AA)からの資金援助を受けて、同窓会支援プログラムを実施している。ドイツに留学研究した彼らは、ネットワーキング、ドイツとの科学研究、意思決定において大きな影響力をもち得る存在だからである。実際、科学、政治、ビジネス、文化の分野で重要なポストに就いていることも多い。

上記でみたようなエジプト政府の開放性と国際競争に関する公式の極めて前向きな言説は、官僚的なハードルや海外からの資金調達に対する不信感といった現実と矛盾している。エジプト人研究者および外国人研究者の研究プロジェクトは管理されている。いわゆる「セキュリティ・クリアランス」は、エジプトのあらゆる研究者にとって絶対必要であり、その発行には数か月かかることがある。非常に長いプロセスのため、プロジェクトの遂行や渡航に遅延が生じることが少なくない。最悪の場合、プロジェクトが失敗する可能性もある。そこで、DAADカイロは、個別のコンサルティングや現地の意思決定者とのコミュニケーションを通じて、エジプトとの科学研究協力をより円滑にするために、時折の障害を克服し、両側にとって有益なプロジェクトが実施できるよう助けている。

ドイツは、煩雑な手続き、長期にわたる準備プロセス、セキュリティ・クリアランスといった障害を取り除いていく上で、エジプトの大学および関連省庁の階層構造には必ず従う必要があると考えている。それゆえ、協力の機会を探る際には、常にボトムアップ・アプローチ/パートナーシップ・アプローチが適しており、それを基盤に持続可能なプロジェクトを構築すべきであると考えている。DAADは、ドイツとエジプトの大学間の協力に関する専門的なコンサルティングを提供し、特別なプログラムを開発している。

以上紹介してきたことすべては、国を越えた、高等教育・科学研究面における多分野連携の持続的な構築に結びついている。ドイツおよびドイツの大学は、エジプトとの協力を通じて、国際化を推進するだけでなく、エジプトにおいて世界的に重要なテーマに関与し、専門知識を焦点化し、さらに拡充することができると信じている。また、これにより、パートナーシップにおける異文化間のスキルが磨かれ、異なる文化が共存するドイツ内でも視点が養われると考えている。ドイツは、エジプトはアラブ世界のハブであるだけでなく、アフリカにも開かれており[19]、ドイツとエジプトのプロジェクトの影響力を、MENA地域およびサハラ以南アフリカに向けてさらに高め、場合によっては「三角協力」を実現できると考えている。

最後に、DAADカイロを主体とする近年の注目すべき大きな動きCOSIMENA(Clusters of Scientific Innovation in the Middle East and North Africa)プロジェクトを紹介して全体のまとめに入りたい。2017年以来、DAADカイロは、外務省からの資金を活用して、中東と北アフリカ地域における科学的イノベーションのクラスターを推進するCOSIMENAプロジェクトを実施している。このプロジェクトは、水、エネルギー、健康、都市計画、経済などの分野でのドイツとエジプトの協力をまとめ、可視化することを目的としている。2018年には農業科学と文化遺産のクラスターが追加され、2021年からは教育に関するさらなるクラスターが予定されている。クラスターごとのカンファレンスやワークショップ、 German Science Dayや、Public Lectures、および学際的なサマースクール・ウィンタースクールが含まれている。このプロジェクトは、ドイツとエジプトの研究者をつなげるだけでなく、MENA地域全体から専門家を参加させ、既存のパートナーシップを強化し、革新的なトピックや研究結果に関する建設的な対話を促進し、新しいイニシアティブを生み出す機会を提供している。2019年以降、デジタル化、持続可能性、南南・三角協力、気候変動など、異なるクラスターを網羅する革新的なトピックを中心に、カンファレンスを通じてクラスター間のイベントを開催し、異なる分野を結びつけている。COSIMENAは、活発な科学的交流のための成功モデルであり、DAADカイロの特長とされている[20]

 

4.まとめ

今後、熾烈な世界的資本主義的競争の下、教育や研究も、市場ベースの抜本的な再構築が避けられないのであれば、外部につくられる「市場」に合わせ流されていくのではなく、その「市場」を積極的に掘り起こし、流れをつくり出していくことが重要となる。その手段の一つが、海外進出も含めた大学の積極的な国際化であり、国を越えた体系的持続的な多分野連携の研究体制の構築である。そこに、学術関係者が主体的に関わっていかなければならないのは言うまでもない。

しかし、その達成には、日本語教育・留学・キャリア開発支援や、親日の影響力ある現地パートナーの創出、現地研究者の国際競争への参加の促進、同窓会および学術コミュニティの拡大、セキュリティ・クリアランス、エジプトの高等教育・研究制度の変革、総じて研究・高等教育面での我が国との国際協力が有益であることを納得させるための地道な関係構築が重要である。これらすべてが連動して、有意義な形での大学の国際化と持続的体系的な多分野連携が可能となる。

したがって、必要なアクターは決して少なくない。ドイツの場合は、ドイツ側ではEU、DFG、DAAD、連邦教育研究省(BMBF)、連邦経済協力開発省(BMZ)、連邦外務省(AA)、大学、産業界、エジプト側ではドイツが歴史的に影響力を行使してきた、STDF、GERF、NRS、NAQAAEや、また本稿では触れなかったがカイロ・ドイツ大学(GUC、2003年設立)、新行政首都のドイツ国際大学(GIU AS German International University of Applied Sciences、2019年設立、ドイツの大学のコンソーシアムが支援)[21]、ドイツ応用科学大学をモデルとした技術系大学といったアクターが重要な役割を果たしている。そして、それら様々なアクターを繋ぎ合わせる現地仲介機関として、ボトムアップ・アプローチ/パートナーシップ・アプローチが可能なDAADカイロの役割は看過すべきではない。

 

ドイツの強みは、例えば以下であろう:

・資金調達・提供の仕組みの多元性

・官産学連携で国を越えた教育・研究コミュニティの構築

・機能分化と機能集約のバランス(様々な個の組織が、一つの目的のために協同するところは協同する)

・地道なボトムアップ・アプローチ/パートナーシップ・アプローチによる、他国システムへの多面的な影響力の行使

・持続的なマーケティング

・現地駐在の学術的仲介機関の役割の重要性の認識

・半世紀以上に亘って構築してきたネットワークを有効な形で時代に合わせ発展させていく柔軟さと応用力

・最後に、国を越えた持続的な組織的体系的多分野連携が、利益やイノベーションをもたらすという確信

 

本稿が参照した報告書内でドイツは、国際協力の枠組みにおいて、強力な、あるいはプレゼンスを高めている国として、特にアメリカとイギリス、また中国、ロシア、インド、韓国を挙げたが、我が国には言及しなかった。しかし、我が国にも、これまで培ってきた様々なリソースがある。例えば、EJUST、アルムナイ、エジプト・中東をフィールドにする研究者、個々が築いてきたネットワーク、そしてDAADカイロの日本版ともいえるJSPSカイロである。我が国の理系研究者たちが、現在推進されている大規模支援型の研究拠点形成事業を軌道に乗せていく上で、周りがバックアップできることは多くあるだろう。

今回はドイツのエジプトにおける科学研究・高等教育政策の全体像を提示した。今後はよりミクロに、例えばDKAモジュール、COSIMENAプロジェクト、ネットワーキング、ドイツ産官学連携など、DAADカイロを中心にエジプトにおけるドイツの活動内容を注視していきたい。

[1] もちろん単純な比較は避けられるべきだが、例えば、以下を参照。ドイツは、「企業」から「大学」「公的機関・非営利団体」への研究開発費の流れが主要国の中で特に大きい、と説明される。https://www.nistep.go.jp/sti_indicator/2021/RM311_11.html#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%EF%BC%88OECD%E6%8E%A8%E8%A8%88)%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6,%E3%82%82%E4%B8%8A%E6%98%87%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82

[2] DAADは、学生と研究者の国際的な交流のための世界最大の資金提供機関である。https://www.daad.de/en/

[3] DAAD, Ägypten Daten & Analysen zum Hochschul- und Wissenschaftsstandort, 2021; Ägypten Kurze Einführung in das Hochschulsystem und die DAAD-Aktivitäten, 2022.

[4] 研究成果の比率はおよそ、大学が70%、それ以外の研究機関が30%である。

[5] 例えば、2020/2021年の高等教育・科学研究省予算は、約65 billion L.E.(3250億円)、研究予算は、約32 billion L.E.(1600億円)であった。وزارة التعليم العالى والبحث العلمى المصرية 1achievement (mohesr.gov.eg). ある国会議員は数年前、予算の増額を提言している。برلمانية : موازنة البحث العلمي في مصر غير كافية وتحتاج إلى التفعيل وإعادة النظر (almasryalyoum.com).

[6] 改善のための一つの試みが「民間大学」の設立である。前回のレポートを参照。

[7] 特にエジプトの主な優先課題は、エネルギー部門である。その他、エンジニアリング、建築、情報技術、経済学、経営学、公共行政、生産技術、農学、バイオテクノロジー、食品加工技術、観光である。

[8] STDFの再編成が決定され、STIFA(Science, Technology and Innovation Funding Authority)の名称に変更することが発表されたが、同機関は現在もSTDFの名称で運営されているようである。

[9] EUの途上国向け技術連携プロジェクト。

[10] 大学が完全な機関認定を受けるには、少なくとも60%の学部が認定を受けなければならない。しかしアクレディテーションは全大学に義務付けられているが、この質管理システムの導入・実施はまだ過渡期にある。

[11] エジプトの高等教育の質向上に関するその他の施策として、DIES(革新的高等教育戦略に関する対話Dialogue on Innovative Higher Education Strategies)がある。開発途上国や新興経済国の高等教育機関に対し、機関運営プロセスの専門化と教育の質の向上を支援する。DIESは、DAADとドイツ大学学長会議(HRK)が共同で調整し、連邦経済協力開発省(BMZ)の資金で実施される。

[12] GERSSの費用は、ドイツとエジプトの双方が50%ずつ負担し、GERLSの長期奨学金プログラムでは、エジプト側パートナーが費用の70%を負担する。GERLSの長期奨学金プログラムには、2009年以来、509人の博士課程の学生が助成されている。2021年には71人の新しいGERLS奨学金が授与された。2007年から2021年まで、289人のGERSS奨学生が助成された。2021年には13人のGERSS奨学金が授与された。現在、両プログラムのニーズに合わせた再調整が、エジプトとの新たな交渉を通じて進行中のようである。

[13] 2018/19年以降、会議は行われていない。GERFでは、ドイツとエジプトの研究チームによる応用研究プロジェクトが、最大200,000ユーロで24か月の期間で支援される。

[14] DKAは、その他のモジュールも提供しており、これまで合計約20,000人が参加し、エジプトの学術コミュニティに大きく寄与している。

[15] ちなみにドイツでは、連邦教育研究省に代わってDAADが、エラスムス+の国内機関の業務を行っている。エラスムス+は、EUの最大の教育資金援助プログラムである。

[16] 2020年から新規学生受け入れ停止。

[17] その他、DAADのニュースレターやウェブサイトでの広告掲載など。

[18] https://www-overseas-news.jsps.go.jp/%e3%80%90%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%83%bb%e3%83%89%e3%82%a4%e3%83%84%e3%80%91%e3%82%88%e3%82%8a%e5%ae%9f%e8%b7%b5%e5%bf%97%e5%90%91%e3%81%ae%e9%ab%98%e7%ad%89%e6%95%99%e8%82%b2%e3%80%8cma/

[19] エジプトは、トルコ、シリアなどアラブ諸国、ナイジェリアなどアフリカ諸国、インドネシア、マレーシアなど東南アジアからの留学生も多い。

[20] DAADが関与しているその他の活動については、Ägypten Kurze Einführung in das Hochschulsystem und die DAAD-Aktivitäten, 2022のp. 11以降を参照。

[21] 前回のレポートからも推測されるが、国際化努力の一環として、エジプト指導部は、国際分校が新たな行政首都に設立されることを希望している。指導部は当該地域を教育のハブにしようとしている。

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