日本学術振興会カイロ研究連絡センター定例懇話会(ハイブリッド) (2024年度第2回のお知らせ)

日本学術振興会カイロ研究連絡センター定例懇話会(ハイブリッド)2024年度第2のお知らせ)

前略、この度は、在エジプト日本国大使館の岡浩大使を講師にお招きし、最近の日・エジプト関係についてお話しいただきます。岡大使は、2021年に駐エジプト特命全権大使として、40年ぶりにエジプトを訪問されました。着任されて以来、エジプトと日本とのさらなる関係強化に向けて様々な活動を日々行っておられます。日本とエジプトとの科学協力の推進にも関心をもたれ、これまでにエジプトの科学研究機関のほとんどを視察されました。

JSPS(学術振興会)カイロセンターも、WPIという高度に国際化された世界トップレベルの研究水準を誇る研究拠点の認知度向上に取組み、日本がエジプトの研究者や大学・研究機関にとって魅力的な研究パートナーであることを発信していく活動を積極的に展開しております。今後も、JSPSカイロセンターは、岡大使および在エジプト日本国大使館の強力なバックアップを得ながら、日本の科学研究の発展のために尽力して参ります。

今回は、対面とオンライン配信(Zoom)のハイブリッドで開催いたします。ぜひ多くの皆さまのご参加をお待ちしております。ご参加の手続きは、以下のリンク先のGoogleフォームにてお願いいたします。

草々

◆ 日時・場所:2024年6月8日(土)

 開始時間:カイロ14時から(日本時間20時から)(開場13時30分) 講演:60分 質疑応答:30分

 場所:日本学術振興会カイロ研究連絡センター

◆ 講演:「最近の日・エジプト関係~40年ぶりのエジプトの変貌と、将来への期待~」

◆ 講師:岡浩:駐エジプト特命全権大使

◆ 要旨(講師記)

40年ぶりに訪れたエジプトの変貌に驚いた。片道5車線の高速道路が縦横に張り巡らされ、風車が回り太陽光パネルが広がる再生可能エネルギー発電量は、中東地域の筆頭格。新行政首都を始めとする衛星都市が各地に展開し、アレキに向かう農業道路も名ばかりで、ロバに接する機会も乏しい。

大きな変貌の中で変わらないのがエジプト人の強い親日感。よく耳にする「日本という惑星」という表現には、日本への敬意と親近感が溢れる。これは、数は多くはないものの強い存在感を示す日本企業の活躍や、本年70周年を迎える日本の対エジプト開発協力が、エジプト人の琴線に触れる足跡を残しているから。

「エジプト日本科学技術大学」は今やエジプト随一の大学。51校の「エジプト日本学校」では毎日1万3千人のエジプト人生徒が学ぶ。カイロ大学日本語学科が50周年を迎えるエジプトは、中東・アフリカにおける日本語教育の中心。3千人の日本語学習者数は、中東全体(3千人)、アフリカ全域(2千人)に匹敵。

ガザ情勢やスーダン情勢などの不安定な中東・アフリカ地域にあって、世界貿易の1割強が通過しサプライチェーンの要衝である紅海・スエズ運河が通るエジプトの安定はますます重要。昨年の岸田総理のエジプト訪問の際に、シーシ大統領との間で両国関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げすることで合意。

国際社会が転換期を迎え、グローバル・サウスの発言力が増大していく中、中東アフリカ地域の、そして国際社会の安定と発展のために、日本と、グローバル・サウスのリーダー格のエジプトとが、戦略的パートナーとしてどう協力していくか、そして、これまで先人の尽力により築かれた両国の友好関係の強い信頼の絆を今後百年にわたってどう発展させていくか。

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