小さい頃から父のエジプト話をきいて育ったせいか、中学の頃には自然にエジプトを勉強したいと考えていました。社会科の先生達の影響も大きかったと思います。大学の時に屋形禎亮先生に卒論のテーマ『王権と神々』をいただき、三笠宮崇仁殿下はじめオリエント学の先達が立ち上げられた学会にも入れていただきました。吉村作治さんたちがエジプトに第一回ジェネラルサーベイに出発された頃です。結婚してエジプト学から離れ、初めてエジプトの地を踏んだのは40歳のときでした。屋形先生のご依頼で仁田三夫氏の写真解説を引き継いでからは、壁画の確認のためにエジプト国内をくまなく歩きました。4年前に横浜ユーラシア館で「エジプトの神秘をおいかけて 村治笙子の世界」展を開催していただきました。今回も壁画の素晴らしさをご紹介しました。