日時:2016年10月13日(木) 18:00開場18:30発表20:00懇親会21:00閉会
場所:日本学術振興会カイロ研究連絡センター多目的集会室
発表:「うま味を知る! うま味を感じる!」
二宮 くみ子 (うま味インフォメーションセンター理事、味の素株式会社理事)
私たちが日々摂取している野菜、肉、魚、チーズや味噌、醤油などの発酵食品や調味料などの食品には遊離アミノ酸が含まれています。これらの遊離アミノ酸はそれぞれ固有の味を持ち、グルタミン酸とアスパラギン酸の塩類はうま味を持つアミノ酸です。グルタミン酸は自然界に最も多く存在するアミノ酸であり、うま味は大変身近な基本味の一つということができます。うま味は持続性があり、舌全体に広がり、だ液の分泌をうながすという三つの特徴があります。だしの効いたすまし汁、チキンスープや熟成したチーズなどグルタミン酸を多く含む食品を食べた後に、舌が何かで覆われているような淡い感覚が舌に残ります。これがうま味であり、他の基本味(甘味、酸味、塩味、苦味)とは味質が大きく異なり、非常に淡く微妙な感覚です。近年、海外のシェフや食品業界の人々からもumamiが注目されています。その理由は塩分を控えてもうま味があるこことでおいしさを向上させることができること、バターやクリームなどの動物性油脂が少なくても満足感のある味がうま味によって実現するなど、健康な食の実現にとってうま味が重要な役割をしていることがわかってきたからです。7月にミラノ市内でUmami Summit in Milanが開催され、うま味のエキスパートであるシェフ、料理研究家、研究者らがうま味を知り理解することの重要性を語り合いました。ミラノ万博の日本館ではうま味を上手く活用する和食は21世紀を生きる地球人を救う未来食であると解説され多くの関心が寄せられていました。
参加:参加者は、氏名を明記の上、発表(聴講無料)および懇親会(参加費20LE)の申込内容を、メール(JSPSlecmet@gmail.com)あるいは電話・Fax.(02-2736-3752)に、発表日前日までにお伝え下さい(収容人数の関係上、参加者は40人までに限らせて頂きます)。
注)本定例懇話会を円滑に進めるために、事前に参加人数を事務局が把握し、懇親会は参加費支払型にしております。ご理解頂ければ幸いです。