前略、この度は、中世エジプトの社会史や環境・災害史をご専門とされる早稲田大学博士課程の三橋先生を講師にお招きし、中世カイロにおける災害と社会や人々の対応を様々な視点からお話いただきます。三橋先生は、カイロアメリカ大学に留学され、国立図書館や写本館において精力的に史資料の調査研究を行ってきました。
今回は、対面とオンライン配信(Zoom)のハイブリッドで開催いたします。ぜひ多くの皆さまのご参加をお待ちしております。ご参加の手続きは、以下のリンク先のGoogleフォームにてお願いいたします。
草々
◆ 日時・場所:2024年9月27日(金)
開始時間:カイロ14時から(日本時間20時から)(開場13時30分)
講演:60分 質疑応答:30分
場所:日本学術振興会カイロ研究連絡センター
◆ 講演:15世紀エジプトにおける都市社会と複合災害
◆ 講師: 三橋咲歩 :早稲田大学博士課程
◆ 要旨(講師記)
現代の我々は、地震、新型コロナウイルス、風水害といった大規模な災害を複合災害として毎年のように経験している。過去に目を向ければ、時間も空間も遠く離れた中世後期のエジプトの人々も、我々と同様に、またそれ以上に複合災害のリスクを孕む社会に生きていた。13世紀の気候寒冷化、14世紀中ごろ以降猛威を振るったペストをはじめとする疫病、気象災害、常に渇水や洪水のリスクを孕むナイル川の増減水、蝗害、地震などである。
今回の講演では、15世紀の事例を通じてこうした複合災害がカイロの社会に与えた影響と人々による対応を見ていく。また、その中で人々は災禍をどのように捉え、経験、記憶し、復興していったのかを、年代記や人物誌の叙述史料をもとに明らかにする。更に、こうした自然との相剋と共存のなかで、そもそもエジプトの地理や景観がどのように捉えられていたのかという点について、そのごく一部を『美質の書』と呼ばれる史料から紹介したい。
- 参加方法:講演は無料となっております。参加希望者は、申込内容を、Googleフォームにご記入の上、前日までに送信ください。オンライン参加希望者には、ZoomのURL、ID、パスワードをこちらより後日連絡いたします。https://forms.gle/d6XvfykJZcfxVN4G7